古き良きアイドル時代を衰退させたカラオケ文化
松田聖子、中森明菜、近藤雅彦、田原俊彦はじめ80年代のアイドル黄金時代はバンドというアーティストの到来によって、変遷されていきます。どうしてアイドルは人気がでなくなったのでしょうか?
カラオケボックスの到来
80年代はレコードからカラオケに変遷した時代です。レコードは聴くだけの専門であるのに対して、カセットテープがでてきたことで、家のステレオでカラオケができるようになりました。
そしてカラオケボックスの到来。カラオケボックスに行けば誰でも自分がアイドルになりきれる。そんな仮想体験が実現したのです。
カラオケボックスの到来によって、テレビにはりついてアイドルをみなくても、カラオケでアイドル達の歌を歌うことで、その欲求は満たされたのです。本人出演のカラオケ曲もあります。より身近に感じさせてくれる分、お茶の間からみるテレビのアイドルに新鮮さが感じられなくなったのかもしれません。
そしてバンドブームが到来します。プロダクションに入って、厳かなボイストレーニングを受けなくても、カラオケボックスで歌唱力が磨ける時代になったのです。
点数も打ち出すカラオケボックス
「関ジャニの仕訳」での歌唱力対決のコーナーのアーティストもカラオケボックスで練習を重ねていました。カラオケボックスはスタジオ化していきます。
バンドの練習もできる?
JYOSOUNDでは「JOYSOUND f1」にギターやベースをつなげば、バンドの練習までできるようです。
見る時代からする時代へ
カラオケはアイドル達を見て楽しむ時代の衰退をまねきながらも、新しいアーティストができる土台にもなっていきました。
衰退するカラオケ?
カラオケは全盛期の90年代よりも衰退している傾向があります。その理由として、カラオケの音質や設備などがより充実した反面、コストが高くなったことがあげられます。
カラオケ文化が衰退しつつあることも確かです。80年代から90年代前半では、中学校、高校の文化祭の打ち上げには必ずと言っていいほどカラオケボックスが頻繁に利用されていました。ですが今は禁煙喫煙同様に、カラオケを強制するようなことはせず、歌うということも選択することができるために、強制的にカラオケということはないようです。
クールな時代なので、カラオケで何か事あるごとに、狭いボックスで、歌いまくるという概念が高尚でなく、少しダサいという風潮があるようです。カラオケに行ったことがないので、歌わないという人もいます。家のスタイルにも関係しているようです。私にはカラオケを歌わないということは、食わず嫌いではないかとさえ思えるのでした。
歌う時代から聴いて観る時代へ
そして今はいい曲を聴くことが簡単にできる時代になりました。無料PVや、ユーチューブでライブを体験できるからです。ライブをパソコンやアイフォンで聴いて見ることは、カラオケに行ったのと同じ充実感が得られます。
聴いて観る時代から歌って踊って聴いてシャウトする時代へ
カラオケボックスの広い部屋を使えば、小さなライブもできるようになりました。その進化系がアキバ系のコンサートではないでしょうか?カラオケボックスでは孤独感をぬぐいきれない。さらなるリアクションと一体感を求める。だけどコンサートホールでは広すぎて,参加型というよりは、聴く、見るに徹してしまう。その点、ふらっと通りがかりにコンサートに参加できて、シャウトできて熱くなれる。カラオケよりも一体感が得られる。それを満たすアキバでのコンサート。カラオケの画面でなく実際のアイドルを目の前にして楽しめるのが魅力ですね。
カラオケ時代の再到来
カラオケはまたブームが来ています。認知症などの予防や、改善に音楽療法があります。このことから、歌うということが見直されているのです。娯楽としてでなく、病気の予防アイテムとしてカラオケが利用されるようになったのです。
そういえば家庭内不和に悩む友達と一緒に、カラオケに行ったら、その子が急に明るくなって問題が解決したという事を思い出しました。カラオケのもつ底力を感じました。
場慣れするための道場でもあるカラオケ
カラオケはなどまさに人間関係の修羅場そのものです。空気読めないと思っていた人がカラオケでとんでもなくはじけていたり、場が盛り上がると名誉挽回できるでしょう。
・曲目の選択→デートの場所のチョイスが上手か否か
・歌い方→サービス精神の表れ
・聞き方→思いやりの度合い
・はじけるか否か→ミーハー度
などその人の個性がでる場所です。
例えばデートをしてもその人の個性がいまいちつかめないなと思う人は、カラオケに行ってみることをおすすめします。その時にあなたに響く何かがあればきっとうまくいくはずです。
高得点をねらうには?
カラオケの点数が高い人はカロリー消費量も高いことが特徴です。比例とまではいきませんが、かなり密接にかかわりあっています。普段低得点の人は、音程やビブラートを気にしがちですが、まず大きな声で歌うことも高得点を出す秘訣なようです。
多彩なカラオケボックスの利用法
カラオケに行った後の2,3日はいい声になっているのもうれしいですね。こんな風に利用している友人がいました。カラオケを自己啓発に使うというのです。余計にストレスがたまるのではないかとも思います。
自己啓発ですから、一緒に行く人も同じ目的でないといけないそうです。目的って何?ってきくと、歌が下手なだけでなく、上手くなりたいと思うことが条件なのだそうです。一度誘われて行ってみたことがあります。そこでは、誰かが歌っていても、最初のイントロの時の拍手はしますがそれもつかの間、次の予約曲を探すのに必死でした。聞いているフリはしますが、実際は誰も画面を見て聴いていません。新曲を披露するときは特に真剣です。
逆に画面をみてポワンと聴いていると、「どしたん、歌い疲れたんー?」と聞かれたりしました。
時々迷い過ぎて、いつの間にか順番が来てしまい、曲を入れていないので、普通にスキップされて、内心泣きそうでした。次の人はギリギリまで待っていてくれる暖かさはありました。スキップされるとその後の回は2曲続けて予約てしまいました。結構サバイバルです。一方で、聴いてないようにみえますが、声が裏返ると爆笑されたり、結構聴いていたりします。そんな利用方法もあるのかと思いました。
言葉はいらない、歌で通じ合える。それがカラオケですね。