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トランプ氏とビジネス

トランプ氏の発言が問題視されている。日本も核兵器をもつべきだという発言までするトランプ氏。彼はアメリカでビジネスの最先端をいく実業家としての実績をもとに政治家としての出馬をしているので、あらゆる場面をビジネスとしてみているのだ。売上を伸ばすためにはどうすればいいか、アメリカの国益を伸ばすためには手段をも顧みないという考え方だ。だからISに対して、最終的には核兵器を辞さないとまで言い放った。数字、経済的利益だけを考えたのなら、弱い国々、弱い立ち場の人々を追いやり、自分たち、または自分に利益のある国々だけを残すという考え方が節々にみられる。

 

例えば、”テキサス州のメキシコとの境界線には万里の長城を築く”や、”米軍の沖縄の駐留経費を上げないと、アメリカは沖縄から撤退する”など脅迫めいた公約を掲げていることなどだ。

 

アメリカが疲弊していく中、日本という国が経済大国であること、核兵器を使わない国だということを分かっているからこそできる戦略であり、理論的には間違ってはいないかもしれないが、そこには信頼関係というものが欠如している。

 

トランプ氏の演説の特徴は、6年生でもわかるような内容で話すということだ。トランプ氏の演説会場は、ポップでリズミカルな音楽は流行最前線を思わせる。演説のひとつひとつが誰にでもわかる核心を誇大化した発言は聴いている人にとれば後ひく旨みが残るだろう。ビジネスを意識してのことかも知れない。トランプ氏の発言を支持すれば、その人も賢者になるという構図がある。そういうこともあるからなのか、演説のひとつひとつが、あまりにも説得力に重きをおきすぎて短絡的ではないだろうか。沖縄の米軍など対象の一部だけをみて比較した場合、確かにアメリカという大樹に日本が寄っているという構図になる。しかしこれだけで日本という国を理解し、アメリカとの関係はこうだとするのはあまりにも無謀ではないか。マッカーサーの時代から築き上げてきた日本の努力を皆無にしてしまうような発言にのせられてはいけない。日本の弱みにつけこんで、アメリカに利益をもたらそうとしているのが一目瞭然だ。

 

だが一方で安倍総理集団的自衛権の行使などを民主党の反対を押し切り通そうとしている。その理由だって、安倍総理は”もしかしたらアメリカが日本を守ってくれなくなった時のための対策であるにすぎない、日本が核兵器を使うこと、戦争に加わることは決してない”と言っていたのが懐かしく思えるくらいだ。今はそれが現実となる可能性もあるということが、トランプ氏の発言でありありと伝わる。

歴代大統領はじめ、オバマ大統領だから、平和的解決策をあらゆるところで使うから世界は丸くおさまっていたのだ。トランプ氏は沖縄発言からも垣間見えるように、日本に対して重きを置いていない。つまり日本を見放したのだ。メキシコの万里の長城発言から垣間見れるように、トランプ氏は中国との信頼関係を築こうとしている。核兵器をISなどに使った場合どうなるだろうか?日本ではなく、朝鮮の核開発を増幅させISへの攻撃はアメリカからの攻撃ではなく、朝鮮から攻撃させたとしたら、ISは朝鮮はじめ日本含める周辺国を攻撃してくる。朝鮮、韓国、日本そしてその周辺の中国の一部とISが壊滅。中国とアメリカで世界を一新。そんなことも起こる可能性もあるかもしれないと不安の空想が広がる。集団的自衛権を推し進めようとしている政党が日本の与党になり、トランプ氏が大統領になれば間違いなく日本も核戦争に加わる可能性も十分ありうる。そんなことは決してあってはいけいない。ニュース9(NHK)のキャスターも言っていたが、トランプ氏の発言を聞いたアメリカ国民が、日本とアメリカの関係をトランプ氏のような上下関係のあるような、日本がアメリカに依存しているというような、ウィンウィンではないという間違った観念を持つことを危惧してしまう。

 

そしてもう一つ懸念が生じた。それはトランプ氏の発言をもし、アメリカの国民の意見だと思ったとき、アメリカは日本という国をそんなに軽視しているのかということだ。トランプ氏の沖縄発言では日本は島国で戦争に負けてアメリカにおんぶに抱っこというイメージだ。日本の経済的な発展や日本のよさを全く知らない、そんなイメージを受けた。もしかしたらそれが現実なのか。そうだとすれば、日本は個人としてますますアメリカに対して進出し、日本という文化、そしてキャラクターをアメリカという巨大大国に向かって進出していく必要がある。司馬遼太郎さんも言っていたが、これからは個の時代であり、日本がこれから経済的発展が戦後のようになくなったとしても、個や個々の会社がオンリーワンジャパニーズとして、日本人のよさ、すごさを国民性、平和主義という崇高な精神、学術、技術、文化などで頑張らなければいけない。

 

 

そしてビジネスという面でみても、トランプ氏の考え方はもう古い。核兵器を解決手段として掲げること自体が今の時代に添っていない。時代遅れの考え方である。オバマ大統領は平和的解決策での解決を模索している。その先の新しい平和的解決策を考えだした政治家こそが、次の大統領や首相になるべきであり、核兵器を持ち出した地点で、時代は後進したのである。トレンドのイメージのあるトランプ氏だが、策としては一昔前の考えではないだろうか。今、マスコミでは核兵器を持たない日本が、どこか発展途上な国で進歩がないというように見えないこともない。だが、核兵器を解決策や、利益の保持のための手段として持ち出すこと自体がナンセンスである。

国民や国々の不安をあおり、自分が救済者だと思わせる。これはまさに昔のナチスヒットラーと同じではないだろうか。トランプ氏が大統領になればそれが現実になってしまうかもしれない。

 

トランプ氏は国の政治もビジネスだとみている。ビジネスは売上げさえあげればそれでいいという考え方が基本だ。だからその後の負の遺産(公害、地球温暖化などの弊害)まで考えずに行動する。核兵器を使い、地球が破滅に追いやられてからでは後の祭りだ。空から、海から核の汚染はとどまることを知らず世界を破滅させる。トランプ氏に限らず、誰が政治家になってもこのような考え方をするような大統領をアメリカでは選出されないことを望む。

あるワイドショーで、解説者でもある専門家が、トランプ氏の発言を、米国の国務省が”日本との友好関係については今まで通りだ”と言及したことについて、”まだ当選していない人の発言について、政府が取り合う必要はない”と言っていた。だが視点を変えれば、アメリカではそれだけトランプ氏という人に対する支持が広がっているからだということの表れでもある。それは拡大すればアメリカの世論になるのだから。本来は専門家がいうなら安心するはずなのに、今回は解説者が安穏としているように思われた。大統領選を見守る日本人としてはアメリカの代表者を選ぶ人々の関心が気になる。今このように危惧感を感じている自身も、前代未聞の発言をするトランプ氏に踊らされている1人なのだろうか?