リアルピカチュウ
真っ暗闇の中、歩いているとネコに遭遇する。細い細いフェンスの2センチほどの角材の上辺のところにチョコンと座っている。どうやって登ってきたのかが謎だ。まるでソファにでも座りくつろいでいるかのよう。視線を熱くよせてくるネコ。こちらもじっと見ているからなのか、すれ違い、追い越してもお互いに首をねじりながらいつまでもいつまでも見つめ合っていた。こんな風に何匹かのネコをよくみかけた。あっちもネコ、こっちもネコ、ネコネコネコ!ネコを探せ。ネコばかりみていると、いつのまにか自分もネコになったような、そんな気分になる。カラスが鳴き始めた。空を見上げるといつのまにか薄い紺色に光っていた。