2月14日くらいには毎年・・・
2月14日付近になると、いつも問題になる。
「チョコくれや」
忍者のように身をつつんだ者たちは、ハロウィンでもないのにあちこちの家を、子供でもないのに、いささか悲壮めいた声で、切迫した様子で、ちょっと高田延彦さんのように、サンタクロースのようにあらわれるという。
誰もチョコなんてあげない。ある日、1人の少女がこっそり準備しておいた小さなキスチョコ。
「チョコくれや」
「はいどうぞ♪」
男の手は震えた、まさかもらえるなんて思っていなかったから。
「どうしたの?」
「なんでもないやい。」
もちろんお返しはなかった。